デザイン「あ」展に行ってきた

デザインとは何か?について感じ取ったこと

数々のデザインに対する提案、解釈の展示があるなかでデザインの持つ力を重々感じ取った。一つの定義として、とある事柄を伝える際に、それを抽象化したものがデザインであると言えるだろう。また、デザインと事柄の間を埋めるのは自分自身の解釈であることも重要で、デザインの理解の前後でその解釈は大きく変わることも感じ取れた。

未来逆算思考について

未来のある地点で解決したい問題がある場合、そこから逆算して今できることを考えよう、という科学館のコンセプトのようなもの。自分のやりたいこと、望む社会のある姿をまず考え、そこに対して逆算的にアプローチが必要に。逐次的に取り組みでは、解決できない壁に直面する可能性が残ってしまう。これらの考え方を、ゲームを使って説明していた。

科学者たちの言葉

常設展ではノーベル賞を獲得した科学者たちからのメッセージが綴られている。中にはオバマ元大統領の言葉も。

「あなたが本当にやりたいことはなんですか?」赤崎勇

ダイオードの発展に貢献した赤崎さんの言葉。学問の世界にいる人は、自分のやりたいことを中心に据えている印象が常にある。一方でビジネスの世界では経済的合理性を重視すべきであるのだが、そんな姿を科学者の視点から見て、やりたいことはできているのだろうか、本当にやりたいことはなんなのかもっと考えるべきではないのか、という問いの投げかけのように感じた。

「科学でどうしてもわからないことって、なんだろう?」

これは詠み人の名前が写真に写っていなかったが、印象に残った言葉だった。科学ですらどうしてもわからないこと、それは人の心なのか、物質の根源に纏わる話なのか、人によって解釈は異なることが当然に思えるが、それらの共通認識の上で、それでもわからないことは何か、という問いだと感じた。科学の世界では、現象の説明や発見に話題の的が当てられがちだが、わからないことは何か、これを考えることで見える新しい世界があるのかもしれない。

すごい?いや感動する

メディアからの情報など目にする機会が多いと、どうしても「すごさ」に関心が行きがちである。性能、価格、入手性など、評価が「すごさ」に集中することが多い中で、芸術はその技法の「すごさ」以上の「感動」がある。普段の生活では湧き上がることのない感情が芽生える芸術に、もっと触れていきたいと思った。

エンジニアとして今後学びたいこと

常設展ではインターネットネットワークについての解説があった。電気電子のバックグラウンドに加えて、コンピューターアーキテクチャ、ネットワークの知識も取り込むことで、さらに幅広い面白い領域に足を踏み入れたいと思った。特にIoTではデバイスからサービスまでの幅広い設計が必要になる。この領域なら自分の可能性をもっと広げることができるのではないかと思う。