情報を送る技術と類似すること

コンピューターアーキテクチャを一般化する際には、演算装置、入出力装置、制御装置などの要素が挙げられる。コンピューターの性能向上とはつまりこれらの性能向上に他ならない訳であるが、その他の重要な要素として、データをいかにして速く効率よく正確に送るか、といった命題にも着目される。例えば、USBコネクタを介したマウスとの通信では、マウスという入力装置の情報を演算装置に送ることができる。外付けSSDにおいては、SATAコネクタやM.2コネクタを介してそれぞれSSDと演算装置を繋ぐことができる。この時の通信の決まりごととして、OSI参照モデルという型がある。

OSI参照モデル

wikipediaによると、第1層は「物理層」、第2層は「データリンク層」と定義されている。

OSI参照モデル - Wikipedia

例えば、USBコネクタを介したUSB通信においては、物理層での信号の規定があり、それがどんな規則で送られるのか、データリンク層の規定もされている。とある情報を送るために、アナログ的な物理層の規定だけでなく、デジタル的なデータリンク層の規定も必要ということだ。その他のインターフェイス規格についてもほぼ同様で、有線、無線に関わらずそれぞれ規格を定義している。

これらを一般化すると、インターフェイス規格を実現する技術は、情報をA地点からB地点まで送る、ということに他ならない。

この考え方は、他の技術においても、適用することができる。

コミュニケーション

人間同士のコミュニケーションもまた、物理層データリンク層などを、暗に含んでいる。物理層は言葉を使わない握手やアイコンタクトでの情報交換、データリンク層は言語にならない掛け声や感嘆詞などと、定義できるであろうか。当然、さらに上位層の情報交換も行われる。情報を送り、送られたことを確認し、また情報を送る。これらの手段はインターフェイス技術そのものである。

モビリティー

移動するということに関しても、A地点からB地点まで対象を送るということ他ならない。モビリティーの場合は必ずしも情報ではないが、人間がどのような物理的手段を用いて、どのような交通ルールで運ばれるか、インターフェイス規格との共通項が多数ある。また、コンテナなどの貨物輸送もまた、一定の規格化がなされ、効率的に送ることを目指している。

A地点からB地点まで対象を送るということ

このように、とある地点からとある地点まで対象を送る技術は、かなり一般化される技術である。こういった一般化の思考法は、広範に渡って役立つ。アナロジーともいうが、このような思考体系を今後も培っていきたい。