日本と台湾の社会インフラ比較

筆者は台湾に6ヶ月滞在していた。せっかくなので、滞在時に感じた社会インフラの差異についてまとめておこうと思う。

f:id:MasterKoda:20200215190510p:plain:w300

社会インフラとは何か。

「社会インフラ」の定義はこちらの抽象度に従おうと思う。*1

人間の活動の基盤となる基盤(インフラ)「infrastructure」の中でも、特に生活や福祉に関するものを意味する語。社会インフラには水道設備や医療・福祉制度などが含まれるとされるのが一般的である。 <

自分なりにこの定義を解釈すると、電気、水道、ガスなどの公共料金として支払っているものや、環境音、臭い、景観など五感で感じるものが当てはまる。

日本と台湾の社会インフラ比較表

下記の表にて、日本と台湾の社会インフラをしたい。ただし、これらの内容は必ずしも科学的根拠や客観性がない事をお許しいただきたい。

比較対象はそれぞれ

  • 日本:足立区綾瀬駅の1K(家賃5万円程度)とその周辺
  • 台湾:台北市中山区のマンション(家賃10万円相当)とその周辺

公平な比較ではないが、あくまでも主観性に重点を置き比較する。

項目 日本 台湾
電気 安定供給 安定供給
水道水 飲める 煮沸後飲める
ガス給湯 安定 安定感△
環境音 夜に若者の会話 室外機の音
たまにタバコの吸い殻 足下要注意

以下でひとつずつ補足説明をしていきたい。

電気

家の中で使う電気は、停電に会う事なく、ブレーカーが落ちることもなかったので、両国ともとても安定していたと言える。台湾の生活で、真夏でクーラーを全快にしても電気の不安は一切なかったため、安心して生活できた。電気代も日本と比べて同じぐらいだった。

水道水

f:id:MasterKoda:20200215190018j:plain:w300

日本は「水と安全がタダで手に入る国」と言われるが、まさしく飲料水として使える水がほぼほぼ無料で手に入る事は注目に値すべき部分だと思う。台湾でも煮沸後は飲めるが、煮沸前は飲まないことを薦められた。また、煮沸後でも、なんとなく臭いがあり、水のまま飲むのは難しかった。お茶やコーヒーにすれば気になる程度ではなく、衛生面に関しては問題なかった。

ガス給湯

日本で暮らしていて、お湯が出なくなった!という経験はなくはないが、日常的には普通に使えている。台湾の家では、日常的に風呂場のお湯の変化が激しく、結構困った。また、一時的にお湯が全く出なくなったことがあり、ガス給湯器の起動電池切れだったことがわかるまでの数日間は水でシャワーを浴びるという苦労もした。とはいえ、お湯は臭いが気になるほどではなかったので、衛生面ではとても安心して使えた。ちなみに、アメリカのシリコンバレーにある1泊3万円のホテルでは、お湯が臭くて散々な思いをしたことがある。日本も台湾も、ガス給湯は衛生的であると言えるだろう。

環境音

これは、日本と台湾ともに結構悩まされた。日本の住宅地で、夜中に若者が歩き回ってたまにうるさい事はそう珍しいことではないだろうが、気持ちがいいものではない。台湾では、日常的に室外機の音がうるさい。私は室外機だと思っているが、実は配管設備か何かの音なのかもしれないが、いずれにしても、耳触りの悪い音が四六時中聞こえる。

日本では、どなたかが清掃してくれているのか、マナーが良いから何かわからないが、道路がめちゃめちゃ汚かったという経験がない。台湾では、足元注意。これはどういう意味かというと、犬の糞がわりとそこら中に転がっている。不思議なのが一晩経てばほぼ間違いなく無くなっている事なのだが、その時その瞬間に踏んづけてしまっては悲しい。また、台北市内の至る所に血反吐の痕のようなものがある。これは、本当は血ではなく檳榔子(ビンロウジ)という「噛みタバコ」の中身だそうだ。*2

f:id:MasterKoda:20200215185540j:plain:w300
台湾で売っている檳榔

まとめ

総じて、日本の社会インフラが「整っている」という印象を持った。ここで注意したいのが、あくまでも日本が素晴らしいとか、台湾がダメだとかそういう観点ではなく、社会インフラは必然的なものではなくて、誰かの要求と対応によって整備されたものであるという点だ。日本では、行政を中心として整備を進めてくれているという結果の現れだし、台湾でも同様な機関が、住民の要望に対して可能な限りの対応をしていると言える事だろう。観点を少し変えれば、日本の場合は住民の要求が高く、台湾の場合は住民が寛容的であるとも言える。どちらが良い、悪いではなく、現実を相対的に把握することで、事実を捉え、それに対してどんな行動を起こすべきで、その結果どのようなことが起こり得るか、整理して考えることが重要だと強く感じた。