ProgritとOne Month Programの比較検討

背景

転職に伴う有給消化期間中に英語力が向上する方法を検討し「英語コーチング」という選択肢に行き着いた。中でも、本田圭佑氏の宣伝で話題の「Progrit」「One Month Program(1MP)」を比較した。自分自身が決定の際にかなり悩んだので、その悩みの備忘録として、そして同様な選択の悩みを抱えている人への一助になればと思い、ここに選択過程を記す。

結論

One Month Programを選択。

下記で、2つのサービスの比較と検討内容、結論に至った過程を記す。

概要

Progrit

コンサルタントが受講生の英語の弱点を分析し、その課題にあったプログラムを提供するサービス。サービス詳細は下記が詳しい。

cordialjp.com

One Month Program(1MP)

1ヶ月集中型プログラム。その他の詳細は下記が詳しい。

cordialjp.com

ちなみに、事実確認はしていないが、業界大手English Company(ECと呼ばれているらしい)は、ビジネス英語ではなく、英会話に重きが置かれているらしい。

比較

比較表
Progrit One Month Program
学習内容 シャドーイング、ディクテーション、英作文、単語強化 シャドーイング、ディクテーション、英作文
テキスト 市販教材 独自教材
受講期間 42日間(6週間)*1 28日間
1日の学習時間 4時間程度*2 2時間程度*3
After follow あり あり
Chat LINE Chatwork
学習報告 学習毎 1日毎
学習補助 専属コンサルタント1人*4 3人以上*5
ネイティブレッスン なし あり
料金(税込) 約40万円 約33万円
判断基準

以下の5点を総合的に判断

  • 英語力向上への期待
  • 進捗管理
  • 学習カリキュラム
  • 添削
  • 自分への適合

どちらのサービスも英語力の向上が期待できると感じた。理由は、進捗管理をしてもらえるおかげで、自分一人では続けにくい自習を継続的に取り組むことができそうで、かつ学習カリキュラムは専門家が設定した内容だから正しい取り組みをすれば学習効果が得られるだろうと納得できたから。

しかし、添削についてはOne Month Programの方が丁寧でわかりやすいものだと感じた。特に、後々に見返す時にも生かせるような、文書として整った形で添削結果を得ることができるようで、好感を持った。また、過去の受講生の具体例の説明がわかりやすく、自分が受講している姿を想像することができた。

また、自分への適合については、予定管理に自由度が反映しやすく、学習カリキュラムが明確になっている、One Month Programが自分に合っていると感じた。

Progritのジレンマ

業界の風穴を開けた(と自分が勝手に思っている)Progritさんは、それなりのジレンマを抱えていると感じた。下記は全て私の勝手な想像に基づく考察であることにご留意いただきたい。それと、ここではProgritについて言及しているが、当然、One Month Programやその他の英語コーチングについても同様なジレンマが発生しうる。

特訓のジレンマ

Progritは旧名が「TOKKUN ENGLISH」だったらしい。如何にも正確にサービス内容を反映した名前だ。社名が変わった今も、「特訓」スタイルはブレていないようで、(課題を明確にした上で)量をこなせば英語は身に付く!という考えのようだ。これはこれで論理的に正しいと筆者は思うのだが、時代は「働き方を変え、ワークライフバランスを整えよう」という風潮が強い中で、半ば精神論のこのサービス内容は、世間体がどこまで保たれるか、心配なところ。つまり、極端な対比を持ち出すなら「やればやるほど英語が身に付く」「やらせればやらせるほど世間様からの逆風が強くなる」というジレンマが生まれかねない。

また、Progirtのコンサルタントはかなり忙しそうなご様子だった。無料カウンセリング中もチャットで受講生と連絡を取り合っている様子だったし、メールの返信は基本的に夜中だった。サービスの検討をしていた頃は、個人的にSDGsの内容が気になり始めた頃で、「持続可能」というキーワードが頭の中に浮かんでいた。Progritは話題性が強い会社さんだが、このサービスって今後もずっと続くのだろうかという観点に立ったときに、若くてやる気のあるコンサルタントが入り続けない限り難しいんじゃなかろうか、と感じた。こういった面でもコンサルのジレンマはあるだろうが、しかし、今後はAIチャットの導入や事業の習熟で、持続可能性は担保されていくかも知れない。乞うご期待。

コンサルのジレンマ

コンサルの一般的な悩みかもしれないが、無料カウンセリングにて問題解決手段を提供してノウハウだけ吸収され収益化に繋がらない、という「サービスを提供すればするほどサービスの価値が逓減する(ノウハウが奪われる)」というジレンマがある。

マッキンゼーやらボストンコンサルティングやらがどうやってこのジレンマを克服しているか知らぬが、おそらく経営コンサルでは、課題そのものが日々変化するため、連続受注が受けられるのだろう。Progritn場合は、課題が常に「受講者の英語習得」であり、ストック型ビジネスではない(多くの受講者は受講後に課金終了してしまうだろう)し、英語習得という一つの課題だけに集中しているため特定の個人からの連続受注は難しそうだ。アフターフォロー制度はあるが、英語習得のノウハウを取得したのにも関わらず受講を続けるというのもまた矛盾であり、ジレンマに陥る。

まとめ

英語コーチングを提供する「Progrit」と「One Month Program」を比較した。比較した結果、どちらも英語力向上に期待ができる一方で、添削内容と自分への適合を重視し「One Month Program」を採用した。英語コーチングには潜在的なジレンマが潜んでいると考えられ、今後の業界の動向が気になる。

*1:最短2ヶ月で案内されているサービス体型だが、受講者の意向に合わせて調整可能。今回の比較はコンサルタントが無料カウンセリングをした上で設定した受講期間

*2:受講者が確保できる時間量に合わせて分量を設定

*3:分量は決まっており受講者の実施速度次第で変動

*4:当然、1人のコンサルタントが複数の受講生を抱えている

*5:トレーナー2人固定、ネイティブ講師をレッスンの度に選択可能