仕事で優先すること、しないことを定義する

悩み

  • 計画どおりに仕事が終わらない、疲れが溜まる。頭が働かない、という悪循環に陥る。
  • 結果として自分は大変だしチームにも迷惑がかかる。
  • 手を動かしている時に「この仕事はやるべきか?」という迷いがある。

計画の立て方には触れない。そもそも良い計画を立てなくても、実行すべき物事が減れば、必然的に計画は守られるはずだ。

仕事で優先すること

全ての項目で共通して重要なことは、時間を決めること。 決めることには2つの効果がある。

  • 時間を無限に消費しないこと。
  • あらかじめ時間を設定し、その設定に対して想定通り終了したかそうでないか確認することで、その仕事における自分の所要時間が読めるようになること。

また、大きく分けると

  • 生産的なこと
  • 失ってはならないものを守ること

この2つを優先する。そうでないことは優先しない。

情報発信

出張報告メール、実験レポート、マーケティングレポートなど、自分が得た情報やそれに加えて自分が考えたこと、自分が感じたことの情報を発信する。

自分を律する

Intelのアンドリュー・グローブの著書:HIGH OUTPUT曰く「レポートとは自分を律するためにある」。情報そのものに価値がさほどない場合にも、自分のすべきことを確実に実行する癖をつけることで、一歩一歩仕事を進め、行き着く先は遠い場所であることがあるだろう。

他人の思考をリードする

自分の考えを相手に伝えることで、その相手の脳内には自分の考えが刷り込まれる。逆に、それに対する反応があれば、自分の脳内に相手の考えはすり込まれる。この繰り返しが知的生産につながる。

意思決定者への報告

自分がどれだけ努力をしても、意思決定者が動かなければ、その仕事の成果は上がらない。意思決定者とは、それが上長である場合や、顧客である場合など様々だろう。意思決定者への報告=情報発信は欠かせない。

体系化する。

これはビジネスの本質だと考えているのだが、自分の歩んだ道筋を残すこと、そこにフォロワーを作ること、つまりは体系化することはとても重要だ。この体系化した内容ことが、競争力の源泉になる。当然のことながら、この体系化された内容でチームや顧客は利益を得る。生産的な仕事につながり、社会にも還元される。

もちろん、フォロワーとしての戦略として、誰かが残した道筋を誰よりも早く駆け抜けるという方法もあるのだが、「誰よりも早くフォローする」という方法の体系化については、やはり、誰かのフォローでは成り立たない。それは競争力の源泉にはならない。

休憩

昼食、夕食、ナップ、コーヒーブレイクは1日の中で一定の時間が取られるとしても必ず行う。疲労はつもり積もるもの。そして脳の損傷は取りかえしがつかないもの。取り返しがつかないことには十分に注意する。カフェインの過剰摂取による身体的な不調や食事後の血糖値の急上昇による生産的な時間の逸失もまた、取り返しがつかないことの一つである。昼食前の空腹状態から、GI値が高い食品を摂取するとGI値が一気に上がってしまうため、GI値が低い食品、代表的なものとして大豆やナッツなどを摂取してから食事をすると良い。朝一に無糖豆乳を購入、昼食前に再摂取、といった感じ。ちなみに豆乳を摂取してからカフェインを摂取すると、吸収を緩やかにしてカフェインの効果が持続する、気がする。(科学的根拠一切なし)

GI値については大塚製薬の説明がとてもわかりやすい。 www.otsuka.co.jp

信頼の蓄積

どれだけ生産性がないことだとしても、実行することで信頼を得ることは必ず実行する。逆にいえば実行しないと信頼を損なうことは実行してはならない。生産性は他の手段で取り返しがつく。しかし、信頼は回復が難しい。

リソース、優先順位、価値基準の逐次確認

クリステンセンが再三に渡って強調している「リソース、優先順位、価値基準」は、仕事を実行するにあたって非常に重要な要素である。しかし、これはまた、時間を無限に奪うものでもある。重要なことである一方で、時間を決めて取り組まなければならないことだ。

masterkoda.hatenablog.com

リソースの確認

これから行う業務は、

  • 自分の能力の範疇のことだろうか?
  • どの程度の時間で終わることか?

時間がないことを言い訳に仕事を後回しにしたり、何かあるたびに相談を要することが自分にはあったが、これは時間の無駄だ。仕事に取り掛かる前に、自分の能力と仕事を照らし合わせる、仕事の終了予定を宣言する。終了すれば問題なし、終了しなければその理由を考察し再度宣言する。

優先順位の確認

毎朝、毎晩、優先順位の確認をする。厳密な定義は異なるかもしれないが、Getting Things Done的なものである。やるべきことを書き出し、優先する番号をつける。それだけで無駄な仕事がへる。

価値基準の確認

何を重視して仕事に取り組むのか、定期的に自問自答した方が良い。ただし、時間の消費につながるため、注意が必要である。定期的な面談や仕事の内容の変更時をトリガーにすると良い。

ざっくりいうと緊急ではないが重要なことは優先する。

緊急対応は誰しもが実行すべきとわかる。 でも、本当に重要なことは緊急でないことが多い。 というか、重要すぎてすぐには改善できないことが多い。 国レベルでいえば、教育の質がそれに当たるものだろう。 会社レベルでいえば、製品戦略や人材教育など。 個人の業務レベルでいえば、キャリア形成など。

仕事でしなくてもいいこと。

生産性の低い連絡

ただの連絡はほとんど無駄。その先につながることがない場合がほとんど。明日休みますとか、フローで自動的にできるようにすべき。連絡しなくて良いというと語弊あるが、チャットベースで適当にできれば十分。細かい理由の説明など、弁明など無駄。連絡をするならば、その先に連続性のある仕事があるべきである。

生産性の低い相談

現場にいない、現場を知らない人間への相談

上長への相談するぐらいなら考えた方が良い。 大体の場合は、現場以上に上長が良い答えを持っていることはない。 しかし、同じレベルの現場にいる人には相談した方が良い。 特に、専門性が高い人。自分と異なる価値観を持っている人、異なる環境にいる人。

チェック

いわゆるただのチェックはなるべくない方が良い。チェックという動作の先に、生産的な仕事はない。

細かなメールチェック

たまに見落とすことがあっても大した問題にはならない。 時間を決める。 とはいえ、他人の報告など、みると役立つことは多い。 しかし、時間が無限にあるわけではない以上、みると時間を奪われる可能性あり。 私は、昼食の後の20分だけ、と決めた。 週に一回だと忘れる可能性あるし、30分だと少し長い。

他人の間違いチェック

他人のレポートで間違い探しをして、良かれと思って指摘するケースが自分には少なくない。お礼を言われるだろうし、チームとしても生産性が上がっていそうであるが、それが根本的な間違いではない限り指摘する必要なし。ただし、その間違いによって180°意味が変わることについては指摘、確認すべきである。

所感

  • 何を重要視して、何をないがしろにするか、定期的に定義してあげないと、脳内は逐一混乱してしまう。脳内回路に一定の道筋を作り、クリティカルパスを解消する。
  • 日本語でいういわゆる「ホウレンソウ」は、良い言葉でもあり、悪い言葉でもあると思った。良い面は、仕事を構成する要素を簡潔に規定しているという面。悪い面は、ホウレンソウであれば全てが生産的であるかのような錯覚を覚えること。良いホウレンソウと悪いホウレンソウがある。